クリアソフビについての一考
ちょっと気になることがありましたので。
http://museumt9g.blog24.fc2.com/blog-entry-155.html
SILASからT9G氏のコタローとランジアスが発売となったようです。気になったのが『オールドガラス仕様』という言葉。初めて聞いた言葉ですが、どうやら古いガラスのような雰囲気を出すために細かい気泡や黄ばみを“敢えて”入れたもののようです。“敢えて”とはリンク先に一言も書かれていませんが、細かい気泡や黄ばみが入っていなければ普通のガラス仕様になてしまうのでしょうから、文意としては間違っていないかと思います。
さて、ここで浮かび上がってくるのが、普通のクリアソフビ、つまりはオールドガラス仕様ではないクリアソフビに気泡が全く入っていないということは有り得るのか?経時変化も含め黄ばみが全く発生しない製品は存在し得るのか?という問いです。
恐らくその答えはノーでしょう。クリアに限定せずとも、ソフビ自体に細かな気泡が入ることは原理上完全に避けることはできません(不可能ではないでしょうが、歩留がかなり下がることが予想されます)。また、ソフビ等に使われる樹脂の黄ばみについても、基本的には酸化反応でしょうから空気がある限り防ぐことは難しいと思われます。
私がこの『オールドガラス仕様』という言葉に違和感を感じているのは、黄ばみや細かな気泡という普通のクリアソフビでも発生し得る現象に新たな“付加価値”としてのカテゴリーを設けてしまうことで、その新たなカテゴリー=オールドガラス仕様を謳っていない製品で同様の現象が見られた場合、その製品がクレーム対象になってしまうという危険性が生じると考えるからです。仮にオールドガラス仕様という言葉が今後認知された場合、この仕様を謳っていないクリアソフビに気泡や黄ばみが入ることは許されません。だって仕様外ですから。
もしかすると、クレーマー対策でこのような仕様を謳ったのかもしれません。しかし、どのような意図があったにせよ、普通に発生する現象に対して、さも普通で無いような意味づけを行うことへの賛同は残念ながら出来そうにもありません。
ただ、黄ばみや気泡に対する私の認識がそもそも間違っているということもあるかと思います。見ていただいている方でお気づきの点がありましたら、是非遠慮なくコメントください。